動画コンテンツ元年とも言われた2014年。その後、各企業が動画に力を入れております。
その背景には視聴者(一般ユーザー)がSNSなど自ら動画を撮影してアップできると言う経験から動画が身近なものになり、興味を持つようになったことが起因していると考えられます。
一般人でもそれなりに再生される動画を作ればちょっとしたプロ気分になり、プロが作った企業の動画レビューなんかもしてるかもしれませんね♪
今回はJALカードの動画広告についてご紹介します。この動画広告は2016年3月に公開されてまだ約2ヶ月の期間ではありますが、視聴回数56万を突破している動画です。
JALカードの認知向上を狙った動画として視聴者が思わず目を留め、見入ってしまうコンテンツでJALカードを視聴者の脳裏に植付ける狙いが見受けられます。
ストーリー
カード会員獲得に向けた第1フェーズとなるコンテンツとして、高い効果を狙う動画ですので第一に考える施策としては「最後まで視聴してもらうにはどうしたら良いか?」と言う観点から制作されています。
そのコンテンツのサポート役となるのがカーディストリーと言われる曲芸の新たなカテゴリーの第一人者である「ザックミュラーさん」です。
このカーディストリーという曲芸はマジックでもCGでもない本当のリアルな「技」であるところがネタとなります。
トランプを使ったパントマイムのような芸なのですが、今回企業広告のためにクレジットカードに置き換えて芸を見せています。
このザックミュラーさんが日本の「すし屋」「ホテル」「タクシー」「カフェ」などの様々なシーンでカードを使った支払いをするのですが、そのカードを出すのに芸を披露しながら手渡すのがキモ。
受け取った店員さんはみんなビックリ!
しかし、ただ単に芸を見せびらかして終わってしまえば、「あの人すごい」で終わってしまい、ここまで視聴回数は伸びていないと思います。
このコンテンツの良いところは、オチがちゃんとあるので「面白い」という共感が生まれる企業広告としてのストーリーが成立するのです。
そのオチとは最後のカフェのシーンで現れます。カフェの店員に今まで通り、芸でカードを渡して店員が驚くのですが、店員からの「仕返し」があるのです。
店員がテーブルチェックのため預かったカードをバインダーに挟み、突然マジックを披露。一度綴じて手をかざして再び開くとその中には「航空チケット」が現れます。
今まで人を驚かせていたザックミュラーさんが逆に驚かされる意表を突かれるシーンなので視聴者も「ギャフンと言わせた感」を味わえ、仕返しをされたザックミュラーさんに親近感を覚えるのです。
そしてチケットを受け取った彼はそのまま店をでて搭乗に向かう。店員はカードを渡し忘れていたことに気付き彼を追いかける。ちょっと最後のチャーミングなお惚けシーンが楽しさを増します。
最後は飛行機が飛び立つシーンにキャッチコピーである「使いこなそうJALカード」で締めくくる。
この動画の狙い
この動画はJALカードの認知促進という明確な目的がありますのでこの1分程の短い時間内でどれだけ視認性をあげるかが勝負になります。
そこで起用されたザックミュラーさんの芸には誰でも釘付けにする力がありますので、その技の凄さを見ながらJALカードを刷り込むことが主な狙いです。
しかし、冒頭にも言ったようにそれだけで終わってしまっては企業広告とのリンクより彼自身の技の方が目立ってしまい、視聴者に記憶の「JALカード」という存在が薄れてしまいます。
それを補うため、動画を面白みが有るストーリー化することで単なる技の披露ではなくストーリーの中の一部に置き換えた形になります。技の凄さとストーリーの面白さがシナジーを呼び、効果的な認知広告に繋がっています。
2ヶ月半ほどの公開期間ですが、これから視聴回数がもっと増えることが期待できます。