ドイツのアニメ制作会社が2014年に公開した動画この動画は音声や字幕がなく、シンプルな短編アニメの映像のみとなっていますが、思わず最後まで見入ってしまうコンテンツ力を持っています。
ストーリー
主人公は「キーウィ」という空を飛べない設定の鳥です。
ある日キーウィが歩いていると地面に金色のナゲットが落ちています。
最初は何気なしにスルーしましたが、次に黄金のナゲットが現れると気になって立ち止まりました。しばらく悩んだ末に一口食べることにしました。
一口入れた途端、キーウィの体に変化が現れ、体がナゲットと同じ金色に変化します。
それと同時に飛べないはずのキーウィが大空を羽ばたく様に飛べるようになりました。
次にナゲットを見つけたときには迷わず食べ大空を羽ばたきます。
三度ナゲットが現れたときには待ちきれず駆け寄り、口に入れます。
しかし、気づくと空から落下し、体にキズがついていきます。
しかし、今までにない高揚感を忘れられず、体にキズを被いながらもナゲットを食べることをやめません。
最終的には体がボロボロになり、ナゲットを見つめるシーンで終わります。
この動画の狙い
アニメ制作会社のブランディングと言うより社会的な啓蒙を表すコンテンツとなっています。
共感を得てバズコンテンツとなっていますので最終的には企業のブランディングにはなっていますが、そこが目的ではなく、啓蒙が優先であると言えます。
何を啓蒙しているか?と言うと、企業発信しているコンテンツの根幹までは明確にはわかりませんが、
この動画で発しているコピーは
「Kiwi tastes a golden nugget. It’s delicious」(キーウィは、黄金のナゲット味を知り、とても美味しかった)
のみです。
これだけ見ても何のことか良く分りませんがそれが企業の狙いです。
動画を視聴したそれぞれの人によって受け入れ方や感じ方はそれぞれなので視聴者側の捉え方に一任している様に感じられます。
軸としては、キーウィは空が飛べない。
しかし飛べたことにより新たな世界を見出し、そこの欲求を求める。
その欲求を取得するには犠牲が必要である。
しかし体がボロボロになってしまっては空を飛ぶこともまま成らなくなる。
それを考えて最終的にどう判断するかのシーンで動画が終わる。
この映像は単なるアニメの世界ではなく、人間社会にも同様のシーンがあり、シンプルな動画で見せることにより、視聴者に理解されやすく考える場を提供しているのでこれだけの視聴回数を獲得できていると考えられます。
それだけ同じようなシーンを体験したことがいる人が存在すると考えられます。
自分の欲望のため自分や周りを見る余裕や視野がなくなり暴走してしまうと取り返しの付かないことになる。
「○○はダメ」の様な直接的な啓蒙よりも「何の動画だろう?」と自ら考えることによる想像を搔き立て、より浸透しやすい動画コンテンツに仕上がっていると考えられます。