最近、感動系の動画広告が多く見られていますよね?見ている方は感動を得ることができ、心が洗われます。
一般的に人間は毎日の生活を社会の流れに則って知らず知らずのうちに送っており、ルーチン化されていると思います。
その流れを「一瞬」ではありますが、止めてくれ、ホッとでき、今の自分を振り返させる力が動画にはあります。
動画広告は基本、短い時間にコンテンツが盛り込まれているので要素が凝縮され、視聴者を引き込むパワーはとてつもないものがあります。
その裏返しとして、折角作っても最後まで見てもらえなければ意味がありませんので、制作側は試行錯誤しながら必死に訴えたいことを纏めて仕上げます。
それによって多くの人々の感情を巻き込む、これぞ「コンテンツマーケティング」の特長だと言えます。
さて、この動画広告がなぜコンテンツマーケティングといえるのか、理由を説明しましょう。
ストーリー
大学受験のため、辛い受験勉強を頑張って最終関門である「受験本番」へ臨むその「場」である大学の試験会場。
その会場にある黒板を使った「黒板アート」で受験当日までの辛かった日々を回想し、試験本番に臨む女子高生の気持ちを描いています。
テーマ曲は岡村孝子の「夢をあきらめないで」という1987年にヒットした曲を起用。ちょうど女子高生の母親世代が自分の学生時代にヒットした曲なので、過去の自分と娘をリンクさせて見ることができる設定になっています。
この動画の意図
まずこの動画の凄いところは制作物の凄さ。6328枚の黒板アートを使用しているところです。
黒板アートは美大生などの間で話題になっており、メディアに取り上げられたりしています。
チョークと黒板を使ったアートで誰でも体験がある「学校」という空間でのアート作品なので親近感を覚えさせることができ、さらに黒板の深緑の背景色が「リアリティ」を引き出し、深みのある絵を描くことができます。
またどんなに良い作品でもキャンパスが「黒板」なので保管しておくものではなく、「消さなければならない」アートと言う儚さも感動への誘引作用があります。
本作品は6238枚という計り知れない数の静止画を繋げて制作しており、美しさだけでなく、作者の根気からも感じる力強さもにじみ出ています。
そしてそこから誘引されるキャッチコピー「見せてやれ、底力。」もリンクしており、普段か弱い女の子にも戦わなければならない受験と言う「時」を鼓舞します。
もう後戻りできない受験当日に気合を入れる意味でも今までの苦労を回想し、合格をイメージした胴上げや応援してくれたみんなの喜びの笑顔。
その中心には「母親」がいます。受験と戦う娘を影ながら支えていた「母親」の存在の有難さがヒシヒシと醸し出されています。
芸術性の高い演出でありながらもそれだけではない企業広告として一番重要な「商品訴求」。
そのために受験と戦う娘をサポートする母親の大きな存在、且つ、思春期でコミュニケーションが難しい時期の娘にその母娘を繋ぐ「カロリーメイト」という存在をさりげなく打出し、ブランディングを確立させています。
受験当日にそっと手渡されたカロリーメイトは母親の愛情であり、かばんの中にそっとある「いつものミカタ」なのです。
応援する側、される側、どちらも共感を得る「カロリーメイト」を深くリードに浸透させる身近で大きな存在であることをロングセラー商品であるカロリーメイトは今後も引き続き低迷することなく、消費者の心の中に植え着かれていくことが想像されます。