大塚製薬のカロリーメイトは発売から33年立つ超ロングセラー商品です。小腹が減った時や朝ごはんの代用、ランチの時間がとれないビジネスパーソンなどに幅広く支持されているのがロングセラーの理由と言えます。
大きく分けて動画広告には大きく分けて「ブランディング」に重きを置く場合と「マーケティング」(売上に直結する)に重きを置く2パターンがあります。
このカロリーメイトの動画広告は、商品特性などをダイレクトに訴求するのではなく、実際の利用シーンを心温まるストーリー仕立てにすることでターゲット層の共感を狙っています。
ストーリー
高校の仲の良い二人は同じ野球部。いつも一緒にいて、嬉しい事も悲しい事も共に体験した同じ境遇の親友です。高校を卒業して就職した会社も同じで配属も同じ営業マンという設定。
その彼らが社会の厳しさを一緒に受けるシーンが描かれていますが、その「今」を体験している辛い経験は実は高校時代にも共に味わっていました。自分たちの高校時代の辛い回想シーンと現在のシーンの例えを新社会人の誰もが乗り越えなければならない登竜門であるシーンとシンクロさせて見せています。
いつもお互いに励まし合い、共に笑い、共に泣き、共に乗り越えてきて、今現在も同じ境遇者の二人。
これからも二人で支えあって共に戦って「成長していくぞ!」という、同じ新社会人に対してのメッセージが込められており、まだ未知数の潜在能力を秘めている「若さ」というエネルギーから繋がる「見せてやれ、底力。」というキャッチコピーがマッチし、ターゲットの脳裏に鮮明に焼きつきます。
そして、商品自体のカロリーメイトはその二人の支え会うシーンに今も昔も変わらず身近に「そっと」存在する1アイテムに過ぎないという見せ方です。
人の本当の優しさやそれを受ける喜びとはお金では買えない「気持ち」であります。その気持ちを形にしたものがカロリーメイトの存在価値であります。
この動画広告は直接的に売上に繋がらないものの、これから新生活を始める新社会人に向けてのメッセージ性が強く共感を与え、カロリーメイトを心のなかに植え付けることで、これから待ち受ける辛い状況時にはカロリーメイトを思いだして、寄り添う存在として購入してもらう刷り込み効果が期待できます。
ですので、店頭でたまたま商品を見かけた時に「買ってみようかな?」と思う「後押し効果」に繋がるブランディング戦略として、継続性のある販促効果へと繋がることが予想されます。