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「ごめんねって言いたい」。反響を呼んだバンホーテンの動画広告「理想の母親」の共感とは?
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「ごめんねって言いたい」。反響を呼んだバンホーテンの動画広告「理想の母親」の共感とは?

バンホーテンココア - 理想の母親

2016年1月から放映が始まったこの動画広告、3ヶ月でYouTube閲覧数240万回を達成しました。
この動画が何故そんなに見られたのでしょうか?少し紐解いて見ましょう。

インタビューされている子どもたちを見つめる母親

ストーリー

この動画はドキュメンタリー風の作りになっています。
小さい子供(幼稚園くらいのお子様)を持つ「働くママ」にスポットを当てて企業がインタビューをします。インタビュー内容は「子供に対する自分への評価」です。

ママ達から返ってくる言葉は、

  • 忙しくてちゃんと面倒みれていない
  • 直ぐに怒ってしまう
  • ごめんねって言いたい
  • 自分が理想としていたママにはなれていない
  • 子供のために働いているのに逆に仕事に振り回され子育てが疎かになり本末転倒

などのマイナス評価ばかりで、自虐的に捉えてある人が殆どでした。

インタビューに応える子どもたち

次に子供へのインタビューシーンに変わります。内容は「ママの好きなところは?」
返ってくる言葉は「笑顔が好き」「いつも笑ってるのが好き」「全部好き」などのプラス評価ばかり。

最後にこの子供インタビューをママに見てもらいます。

ママ達は子供たちの意外な回答に驚きながらも嬉しくなり涙する。
「家族の幸せはママの笑顔でできている―」
そして最後にバンホーテンココアのロゴが出てきてサイトへ誘導。

子どもたちのインタビューに涙する母親

この動画広告はブランディングであります。

必死に頑張っているが仕事と子育ての両立が大変で子供に当たったりする自己嫌悪の部分を第三者である子供の言葉ではあるが、そんなママでも子どもはちゃんと分かっていて、良いところを誉めてくれるという安らぎを与えています。

思わず自分に置き換えてホッと嬉しくなり、この動画を見た同じ境遇のママであれば心温まり、涙がでてしまう、その共感が広まり反響を呼んでいるのです。

そして心温まる動画とイメージしやすい心温まるココアをリンクさせた戦略と言えます。
この動画を見て心打たれた人の頭にはブランド名や企業に対して良いイメージが植え付けられ、お店で商品を見かけた時やココアを飲みたくなった時には第一優先で思い出してもらうのが狙いです。

家族の幸せは、ママの笑顔でできている

まとめ

この施策で、オランダの世界的老舗企業であっても日本ではまだ認知が低かったが、ブランドを広めると同時に良いイメージを持ってもらうブランディングを成功させました。

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バンホーテンの検索キーワード
Google Trendより

恐らく3ヵ月で240万回の再生回数を記録するとまでは企業も予想はしていなかったであろうが、方向性は計画通りであったと思われます。
push型の広告ではなくpull型のコンテンツを用意出来ることでターゲットが自ら集まり話題を盛り上げ拡散してくれます。
このスキームにしっかりはまった施策であったと言えます。